昨日は、急遽上京し、日司連対策部として、足を使い、たくさんの国会議員の先生へのご協力とご理解のお願いをさせていただきました。二つの衆議院会館と参議院会館を行ったり来たりでして、足が棒・・・とまではいきませんが、心地よい疲れでありました。
その際、先日アップした緊急の意見書に加え、下記のとおりの資料を配布させていただいています。具体的な主張は小口短期と経過措置についてのみに絞っています。ご参考まで。
平成18年8月30日
自由民主党国会議員 各位
日本司法書士会連合会
消費者問題対策本部
多重債務問題対策部
「貸金業制度等の改革」に関する現段階での要望について
当対策部は、次のとおり要望します。
1.「上限金利の特例措置」について
少額短期貸付けに関する特例の導入に反対します。
2.「金利の概念」について
ATM手数料、保証料、媒介手数料等、あらゆる名目により取得した金銭を「みなし利息」とすべきです。
3.「経過措置」について
みなし弁済規定の廃止、出資法の上限金利引き下げにつき、直ちに施行すべきです。
4.「広告・勧誘規制の強化」について
表示方法や内容が不当な広告に対し、金融庁による監督を強化すべきであり、貸金業協会内に、広告内容の審査機関を創設すべきです。
5.「公正証書作成委任状にかかる規制強化」について
貸金業者による公正証書作成委任状の取得を禁止すべきです。
①上限金利の特例措置(少額短期貸付の特例金利)について
貸金業の貸付金利についての制度設計は、利用者の視点によりなされなければならない。
現在個人向けには「①元本30万円以内で期間6ヶ月以内」「②元本50万円以内で期間1年以内」、事業者向けには「③元本500万円以内で期間3ヶ月以内」などの案が出されているとされているが、いずれも、現在貸金業者が行っている一人あるいは一社あたりの貸付額と大差なく、いずれも少額という範疇にはないので、現状をそのまま維持することと変わらない。
そもそも、①②の特例を認めた場合、それだけでも別紙のとおり、毎月5万円から5万5千円程度となるわけであり、消費者金融の利用者の月収額を鑑みれば返済可能とは考えられないのである。
また、これらの特例は、新規融資に限るなどにより特例の悪用に歯止めをかけることができるとの立場もあるが、これまでの日賦貸金業者による一般消費者への貸付事例など、これまでも貸金業者の特例を利用した脱法は目に余るものがあり、特例を認めればこれまでの過ちを再び繰り返すことになる。
特例金利を、現在の出資法上限金利である年29.2%とすれば、この特例金利を端緒として、これへの返済資金のため他の貸金業者からの借り入れを誘発することにもなりかねない。
②経過措置について
一部には、急激な金利引下げにより、貸金業者の経営が悪化し、借りられなくなる資金需要者が発生する恐れがあり、これに対する措置を講ずる必要があるとの意見もあるが、経営が悪化した事業者が市場から退出することは当然であって、これによって資金需要者の需要が満たされなくなるとの議論は本末転倒である。資金需要者への融資は、経営が健全な貸金業者が行えば足りる。
既に、現状においても、大手信販会社では、貸出金利の引き下げを行っているが、これは企業として当然の対応であると考えられるし、金利引き下げによって資金提供をする業者の入れ替えが行われることこそが自由経済のあり方であろう。
旧来から、出資法上限金利を引き下げれば、リスクに見合った融資を行うことができず、これまで融資できた層への融資ができなくなり、これらの人たちがヤミ金からの借り入れに向かうとする説(ヤミ金跋扈論)が一部の経済学者から示されていたが、これは、資金需要者のリスク要因を固定的に捕らえた誤った見解である。
貸金業利用者のリスクの最大要因は、借り入れ金に対する利息の支払いである。出資法上限金利が引き下げられることにより、貸金業利用者の借入金の返済可能性は高まり、リスクは低減されることになるのであり、融資を受けれなくなる層が増加するとの意見は誤りである。
実際に、過去の出資法上限金利の引き下げによっても、貸金業者の融資残高、融資件数を縮小することはなく、拡大させてきたのである。
(別紙)
①短期小口特例「元本30万円以内で期間6ヶ月以内」の場合
取引日 借入額 返済額 日数 遅延 日数 利率 利息 遅延損害金 元金返済額 残元金
H18.08.30 300,000 29% 0 300,000
H18.09.30 55,000 31 29% 7,389 0 47,611 252,389
H18.10.30 55,000 30 29% 6,015 0 48,985 203,404
H18.11.30 55,000 31 29% 5,009 0 49,991 153,413
H18.12.30 55,000 30 29% 3,656 0 51,344 102,069
H19.01.30 55,000 31 29% 2,513 0 52,487 49,582
H19.02.28 55,000 29 29% 1,142 0 53,858 -4,276
②短期小口特例「元本50万円以内で期間1年以内」の場合
取引日 借入額 返済額 日数 遅延日数 利率 利息 遅延損害金 元金返済額 残元金
H18.08.30 500,000 29% 0 500,000
H18.09.30 50,000 31 29% 12,400 0 37,600 462,400
H18.10.30 50,000 30 29% 11,097 0 38,903 423,497
H18.11.30 50,000 31 29% 10,502 0 39,498 383,999
H18.12.30 50,000 30 29% 9,215 0 40,785 343,214
H19.01.30 50,000 31 29% 8,511 0 41,489 301,725
H19.02.28 50,000 29 29% 7,000 0 43,000 258,725
H19.03.30 50,000 30 29% 6,209 0 43,791 214,934
H19.04.30 50,000 31 29% 5,330 0 44,670 170,264
H19.05.30 50,000 30 29% 4,086 0 45,914 124,350
H19.06.30 50,000 31 29% 3,083 0 46,917 77,433
H19.07.30 50,000 30 29% 1,858 0 48,142 29,291
H19.08.30 50,000 31 29% 726 0 49,274 -19,983
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