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2007年11月16日 (金)

日司連「全銀協に対する貸金業者の貸付債権に関する債権譲渡及び信託譲渡の取扱いについての要望書」

全国銀行協会 御中             

                                    平成19年11月12日

                                 日本司法書士会連合会

 貸金業者の貸付債権に関する債権譲渡及び信託譲渡の取扱いについての要望書

                       要 望 事 項

 貴協会加盟の銀行が貸金業者の貸付債権について債権譲渡もしくは信託譲渡を受けている場合は、下記のとおり取り扱われるべきであると考え、今後のためにその趣旨を貴協会加盟の銀行に周知され、注意喚起を促していただきたく要望する。

①信託譲渡を受けた信託銀行は、速やかに利用者(債務者)に対して貸金業規制法第24条第2項所定の書面を交付すること。
②譲渡担保権の実行により債権譲渡を受けた銀行は、速やかに利用者(債務者)に対して貸金業規制法第24条第2項所定の書面を交付すること。
③信託譲渡を受けた信託銀行・債権譲渡を受けた銀行は、利息制限法所定の利率を超過する利息を受領しないこと。
④譲渡担保や信託譲渡の対象となる消費者金融等の債務者に対する貸付債権は、利息制限法所定の利率で引き直した後の残高とすべきこと。

                        理  由

 本年9月21日、貸金業者である株式会社クレディア(以下「クレディア」という。)が東京地方裁判所において民事再生手続開始決定(平成19年(再)第169号)を受けた。クレディアは、日本全国に顧客を持つ、東京証券取引所市場に上場している貸金業者であり、公表された情報によればその顧客口座数は16万4,721口座(本年9月末日現在)とのことである。
 クレディアの民事再生手続開始の申立に伴い、クレディアは株式会社静岡銀行(以下「静岡銀行」という。)に対し負担する債務の担保として、債務者に対する貸付債権を静岡銀行に債権譲渡した。これを受けた静岡銀行の対応については、債権譲渡がなされたにもかかわらず、債務者に対して貸金業の規制等に関する法律(以下「貸金業規制法」という。)24条2項所定の書面を交付しなかったこと、利息制限法超過利息を含む約定貸付残金を請求し、一部の債務者からそれを受領したこと、債権譲渡通知を発した後、すぐにそれを撤回し、クレディア顧客の混乱を招いたこと、債権譲渡通知の撤回をしておきながら、債務者から受領した金員を速やかに返還しない等の問題が生じているとのことである。         
 また、クレディアは、新生信託銀行株式会社(以下「新生信託銀行」という。)に信託を原因として債権譲渡(以下、「信託譲渡」という。)している。信託譲渡も債権譲渡の一類型であることから、譲受人たる新生信託銀行は、貸金業規制法24条2項に基づく所定の事項を記載した書面を利用者に交付しなければならないところ、このような書面が交付されたという情報は今日まで得ていない。さらにクレディアは、利息制限法所定の利率を超える利率により貸付を行い、弁済を受けてきたが、新生信託銀行に債権が譲渡された後もこの利率は変更していない。信託銀行が利息制限法所定の利率を超える利率による貸金を譲り受け、利息制限法超過利息の弁済を受けることは、銀行法第1条の趣旨および昨今のみなし弁済を否定する判例を鑑みれば、銀行の業務の公共性から許されない。
 今回のクレディアの再生手続開始申立により、利息制限法所定の利息を超える約定貸付残金が譲渡担保や信託譲渡の対象となっていることが判明したが、一般的に消費者金融会社が資金調達のため、債務者に対する貸付債権について譲渡担保を設定するケースや信託譲渡を利用するケースが相当数存在するものと推測され、結果的に銀行が利息制限法違反の利息を受領することになってしまっている。

 クレディアのように全国に多くの顧客を持つ貸金業者の倒産手続は、今後も続くものと予想され、クレディアの民事再生手続は、「みなし弁済」を否定する最高裁判決後のリーディングケースとして非常に重要な意味を持つものと思われる。今後も静岡銀行及び新生信託銀行と同様の問題が起こる可能性は高いと考えられ、その点を配慮したうえで、速やかに対処されることを要望する。

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