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2007年11月16日 (金)

日司連「クレディアに対する民事再生手続に関する要望書」

再生債務者株式会社クレディア  御中

                                     平成19年11月12日

                                   日本司法書士会連合会

                 民事再生手続に関する要望書

 当連合会は貴社に対し、次のとおり要望する。

                      要 望 事 項

1.民事再生手続開始決定から遡り10年以内に貴社が貸付を行い又は返済を受けた顧客(以下、「全顧客」という)との全件取引に関し、顧客からの請求を待つことなく、利息制限法所定の利率による再計算(以下、「引き直し計算」という)に直ちに着手すること。

2.引き直し計算により貸付残高の減少が判明した顧客に対しては直ちに、適法な貸付残高並びにその算定の根拠を告知し、適法な貸付残高以上の請求を行わないこと。

3.引き直し計算により貸付残高の消滅が判明した顧客に対しては直ちに、貸付残高が消滅した旨及び返還すべき金員がある場合にはその旨並びにその算定の根拠を告知すること。

4.債権届出の有無を問わず過払債権者が不利益を被らないよう、貴社とその全ての顧客との取引について、「延滞」をはじめとする一切の事故情報の登録を凍結すること。

                      理    由

 利息制限法所定の利率を超過する約定利率により行われた取引は、貸金業規制法43条が適用されない限り、強行法規たる利息制限法に違反するものである。
 よって、過去に完済した顧客は勿論、未だ取引中の顧客であっても、貴社の約定利率により5~6年以上取引を継続している場合に、引き直し計算を行うと、過払いの状態になっている可能性が極めて高いということは経験則上明らかである。
 また、多数の不当利得返還請求を受け続けている貴社自らが今後の過払い債権者の更なる増加を推定していることからも、過払いの事実を知らされていない顧客が多数存在することは容易に知りえるものである。これらについては自認債権として貴社自らが届出を行い、かつ顧客に対して事実を告知する義務がある。
 また、過払いにならないまでも引き直し計算を行えば、ほぼ全ての顧客の貸付残高は減少すると考えられ、それを貴社が有する貸金債権の総額として再生計画を立案するべきである。

 貴社は長年登録貸金業者として全国各地の膨大な数の顧客との間で、貸付利率の変更などを伴いながら取引を継続してきたのであるから、その蓄積してきた情報及び技術を活用し、全顧客との全取引に関する引き直し計算を順次行うことは、不可能ではない。
 仮に引き直し計算が出来ない合理的理由があるならば説明すべきである。

 本来、民事再生手続は、債権者の犠牲と協力の下で全ての当事者のために債務者を存続させ再生に導くという手続であり、当然に債務者の誠実な手続遂行が求められるが、今般の引き直し計算を拒絶することで多数の債権者を手続から除外して手続を遂行しようとする貴社の姿勢は、法の求める債権者・債務者間の権利義務関係の調整による債務者の事業の再生という制度趣旨から逸脱していると言わざるを得ない。
 よって、貴社の民事再生手続が公平・誠実に遂行され、顧客を含む全債権者と貴社の間の権利義務関係が適切に調整されることで、全関係当事者に有益な手続となるよう強く要望する。

 さらに、個人信用情報については、そもそも過払いが生じている場合、利用者が借り入れていた債務は既に完済されている状態であり、何らかの情報を登録する必然性はない。また、テラネットに加入している金融業者・信販会社等は事故情報でなくても、その登録情報を知ることができる。信用情報機関の登録情報は一般的に借り入れやローンの与信審査に対して大きな影響を与えていると思われる。したがって、信用情報機関は民間の機関とはいえ、多くの国民の経済的信用を左右する立場にあるといえる。たとえ事故情報扱いではなくても、登録された「契約見直し」情報は、照会した貸金業者等の与信審査に対して影響を与える可能性は否定できない。そのような事態が一般化すれば、顧客の利益(経済的信用)を不当に侵害することになり、許されないと考える。
 さらに、貴社の民事再生手続に関しては、公正な資産評定や債権者平等の観点から全ての貸金債権について利息制限法の引き直し計算を行うべきと考えるが、現在のところ、貴社は顧客からの取引履歴照会があった場合を除いて引き直し計算を行わない方針である。そのため貴社の顧客は、自らは過払債権者である可能性について認識する機会さえ与えられない者がほとんであると考えられる。
 このままでは再生計画案認可決定が確定することによって、履歴開示請求及び債権届出をしなかった多くの利用者(過払債権者)の権利が切り捨てられることに加え、それらの未だ自らが債権者であることを認識していない過払債権者が約定利息に基づく返済を延滞することがあれば、「延滞」の事故情報が登録されてしまうことになる。一方、債権届出を行った過払債権者であっても約定どおりの返済を継続しなければやはり「延滞」の事故情報が登録されてしまうことになる。
 したがって債権届出の有無を問わず過払債権者が不利益を被らないよう、全ての顧客との取引について、「延滞」をはじめとする一切の事故情報の登録を凍結することを要望する。

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