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2007年12月16日 (日)

全青司「民事手続の現在(いま)」と憲法的視座

 昨日は、標記シンポに参加いたしました。

 プログラムの概要は以下のとおりです。

第1 報告
  報告者 消費者委員会
  (内容)消費者破産手続の現状と問題点
  報告者 制度委員会
  (内容)全青司メディエーションセンターの立ち上げ
      被告事件110番の現状

第2 講演
  大阪大学大学院高等法学研究科教授 棟居快行先生(憲法学)
  (演題)民事手続における「裁判を受ける権利」と「適正手続保障」

第3 講演
  法政大学法科大学院教授 佐藤彰一先生(民事訴訟法学)
  (演題)民事救済手続・紛争解決制度の「現在」と手続保障論(仮)

第4 座談会
  語り手  棟居快行先生 佐藤彰一先生
  聞き手(司会) 憲法委員会 澤田章仁
  (テーマ)「民事手続の現在」と憲法的視座
 
【企画趣旨】

(1)民事手続の「現在」と憲法的視座
 我々司法書士は、現在、簡裁訴訟代理業務、書類作成業務をとおして民事手続を活用して依頼者の立場に立って権利救済に取組み、また他方で、裁判外紛争処理制度としての調停センターの立ち上げなど勢力的に行ない、手続主宰者としての役割を担おうとしている。
 裁判外紛争処理制度は、まさに日本国憲法のよって立つ「個人の尊厳」原理に立脚して構想された制度であり、また簡裁訴訟代理業務は、市民の「アクセス保障」(裁判を受ける権利の保障の一部)といった観点から司法書士に付与された業務権限である(司法制度改革審議会最終意見書)。
 すなわち、新たな制度構想の根底には多かれ少なかれ憲法に立脚した理念が根底に流れており、裁判外紛争処理制度や簡裁訴訟代理業務に関する憲法的視座は、それを行なう我々司法書士に必要不可欠な視点であると考えられる。
 また、従来から、書類作成業務をとおして依頼者の権利救済に取り組んできた司法書士としては、裁判所の裁量や弁護士法72条と救済を求める依頼者の迫間に立たされ、「裁判を受ける権利とは、一体、何なのだ」と自問自答を繰り返した者も少なくないであろう。
 そこで、一方で専門化し、他方で市民のニーズに応じて多様化しつつ紛争解決制度・民事手続と司法書士のかかわりのあり方を、今一度、憲法的視座に立って検討し直してみる必要性があるのではないか。

(2)問題関心
 ① 憲法解釈の側面
 憲法32条の「裁判を受ける権利」は、民事手続にもその保障が及ぶとされならがらも、憲法31条以下の各規定はおよそ刑事手続を前提としているといった解釈が素直である。そのため、民事手続を前提とした憲法解釈は、審問請求権の取り込みや手続の内的側面にまで踏み込んだ一部の有力な憲法学説は存在するものの、一般論としては、民事手続上の具体的な手続保障との接合に至るまで踏み込んだ内容に至っていない状況にあり、実務レベルにおいて、その具体的保障が果たしてどの程度・範囲に及ぶのかが明確に把握できない状況にある。
 また、民事手続を前提とした憲法上の「適正手続」の保障についても、それが機会の保障にとどまるのか、それとも裁判所を含めた能動的なレスポンスの保障まで含めることができるのか、そしてその根拠についても明快にその指針や保障のあり方を示している解釈は、確立していない状況にあると思われる。
 ② 手続法的側面
 ところで、以上の憲法解釈を探求し、司法書士実務において効果的にそれを活かしていくためには、そもそも民事手続の目的又は民事手続における手続保障をどのように捉えていくべきかの議論と切り離して考えることはできない。
 また、民事手続についても、地裁以上の通常訴訟手続、簡裁レベルの訴訟手続のほか、簡易な債務名義取得の手続、調停手続、裁判外紛争処理手続など多くのバリエーションがあり、さらにまた、現在の実務上の問題として本人訴訟と代理人訴訟の区別・差異にも着目すれば、憲法上の「裁判を受ける権利」、「適正手続」の保障が、一様に定まらないことも予想される。
 さらには、司法書士実務において受託することが多い消費者破産手続について、これを民事事件と解するか、あるいは非訟事件と解するかについても議論が分かれているところであり、これに関しても、その性質に関する議論次第で「裁判を受ける権利」「適正手続」の各憲法的保障の態様が異なるものと思われる。

(3)企画方針
 今回のシンポジムでは、民事手続に関する多くのバリエーションや実際上の区別・差異を視野に入れた上で、安易にこれらを制度的・政策的問題に不時着させるのではなく、現実を見据えた憲法上の「裁判を受ける権利」「適正手続」の各憲法的保障と司法書士が行なう民事手続との関係性を可能な限り明らかにした上で、民事手続に関する実務上の問題点について効果的・実効的な憲法解釈もしくは憲法的視座を探求する。
 そこで、今回のシンポジウムでは、民事訴訟法学者と憲法学者の二方の先生をお招きし、民事手続法解釈、憲法解釈などの現在の学説状況や将来の方向性をご解説頂き、また我々司法書士が直面する問題点についても、実務的に効果的・実効的な提言を頂きたいと考える。

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