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2008年3月 8日 (土)

司法書士の広告に思う

 近時、司法書士の広告を目にする機会が増えています。上京し電車に乗れば必ず「債務整理」と大きくアピールした広告を目にしますし、HPやブログ、新聞などにも多くの司法書士が広告を打っています。一体いくらくらいかかるのかなあ・・・と思ったりもします。

 まず述べておかなければならないのは、広告自体を否定する気持ちは全くありません。(私も随分前からHPを立ち上げていますし、ブログもやっております。)ただし、その広告が、その司法書士の力量に合致している・・・という大前提があれば・・であります。(実際に、素晴らしい内容のHP・ブログを作成され、日々有益な情報発信を行っている司法書士も多いので、念のため)

 ある弁護士さんは、「債務整理についての広告を出している弁護士は、すべて提携弁護士である」とおっしゃっていますが、私はそこまで申し上げるつもりはありません。ただ、それに見合う業務がきちんと行われているのだろうか、広告費の負担のしわ寄せが依頼人に行ってはいないだろうか・・・・という心配をしてしまうわけであります。

 実際に、債務整理に関して申し上げれば、極めて残念なことではありますが、大手業者に対する過払い事案しか受任せず、ヤミ金融事案はもちろん、破産や再生事案も受任しないという司法書士の存在を聞く機会が多いのです。債務整理と広告を打っているにもかかわらずそのような対応をするとすれば、それは完全な虚偽広告であります。
 また、地元であれば(東京・大阪あたりになれば事情は違うでしょうが)、どの司法書士が、どのような業務を日常的に取り扱っているかは概ね分かります。普段から勉強会や110番活動に参加していない司法書士が、債務整理と広告を打って、債務者が委任した場合、適切な解決が本当にはかれるのでしょうか・・・極めて疑問であります。

 私の広告に対するスタンスは、明快です。
1.ただ、「債務整理や相続の仕事を受けます」というに過ぎない広告は絶対にしない。
2.つまり、利用者に対して有益な情報を発信することが法律家の広告である。
3.お金をかけてまで、広告はしない。
4.日々の真摯な実務対応こそが最重要な広告である。

 つまるところ、日々の一つ一つの事案を、依頼人に満足していただければ、自然と口コミで広告がなされるのです。

 それでは、依頼人のサイドに立ってみて、どう司法書士を見分けるかについて、特に、債務整理の分野に限ってでありますが、私見を述べておきたいと思います。

1.まず、ヤミ金融事件、再生事件、破産事件など、全ての債務整理事案にきちんと対応してくれるかどうかを確認すべきです。
2.費用について、きちんと予め確認すべきです。
3.都道府県の司法書士会に確認することもおすすめします。

 債務整理の分野は、法改正も頻繁であり、新しい裁判例も日々出されていることもあり、専門家の研鑽が強く求められています。過払い訴訟に限定しても、多くの裁判例に精通していなければ、依頼人の利益を損ねることは十分に考えられます。もちろん、ヤミ金融事件、再生事件、破産事件を受任しないという姿勢は論外でしょう。一事が万事であります。
 また、極めて高い報酬設定をしている司法書士も存在しますので注意が必要です。事前に必ず確認してください。

 最後に。司法書士の皆様へ。債務整理事案は一つ一つに個性があり、ルーティン性は極めて低い分野であり、日々の研鑽なしに出来るような分野ではありません。また、貸金業法改正にあたって、法律家としての責務はこれまで以上に大きくなっているのです。1人でも多くの司法書士にこの分野で活躍してもらいたいと思っていますが、それは、継続的な自己研鑽が大前提と考えています。どうか、依頼人の信頼を損ねることのないよう、お願い申し上げます。

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コメント

あれれ、同業者の明日の風さんのコメントまで削除してしまいました(汗)明日の風さま、誠に申し訳ありませんでした・・・コメントありがとうございました。

投稿: 小澤吉徳 | 2009年4月 6日 (月) 14時51分

先生のお考えには非常に感銘を受けました。
目が覚めました。ありがとうございます。

投稿: 通りすがりの広告屋 | 2009年6月17日 (水) 19時54分

広告は広告費を上回る効果があるからするわけで、費用が依頼者に転嫁されるということはありません。

むしろ、広告をしなければお客さんが少ないわけですから、経費回収のために料金は高くなると思われます。事実、債務整理系の大手事務所より小さな事務所のほうが一般に料金は高いです。

ちなみに、破産や再生は司法書士には代理権がないのでは?

非弁提携がはびこったのは広告が禁止されていた時代に弁護士が集客できなくて、集客の部分を非弁業者に依頼したのが原因です。

最近は大手の債務整理系事務所が自力で広告を打つようになったので、もはや非弁提携は流行らなくなっています。ただ、広告が盛んではない地方ではまだ問題になっているようですね。

投稿: tmy | 2009年8月21日 (金) 09時26分

ご意見ありがとうございます。もちろん、破産・再生に司法書士の代理権はありませんが、書類作成業務は可能となっています。
さて、本題です。なるほどそういう見方もある・・・ということは理解できます。
 個人的には、広告の問題、費用の問題よりも、債務整理の内容の問題が一番重要な点と考えています。つまり、費用に見合った法的サービスが供給できているかどうか・・ということです。
 もはや、単なる法的サービスのみが期待されている時代ではありません。「生活再建支援」という大きな視点から、各種機関とのネットワークなども駆使して、依頼人の需要を満たす姿勢とでもいいましょうか。ヤミ金融事件を断るなどというのは論外でして、必要に応じて生活保護同行支援をするなどの姿勢が求められている・・・と考えています。
 大々的に広告を打つ事務所が、すべての依頼人に対して、そのような視点に立って業務を行っているのであれば、全く問題ないと思います。

投稿: 小澤吉徳 | 2009年8月21日 (金) 09時39分

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» 司法書士の広告 [ちょっと変わった司法書士の毎日]
ときどき拝見している静岡の小澤司法書士のブログに「司法書士の広告に思う」というタイトルの記事が掲載されました。 当該記事はこちらです。 思わず目がいき、そうだそうだと読ませていただきました。 というのも、先日、大阪司法書士会の総合相談センターで相談員をしたときに、たまたま特別研修を一緒の班で受講をした先輩も隣のブースで相談をしていて、間に相談がとぎれた時間が30分ほどできて、いろいろお話しをした際に、「広告ってできないよね、私たち・・」みたいなお話しをしたところだったんです。 私たちは、共に法律... [続きを読む]

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