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2008年6月 6日 (金)

木村達也著『事務局長日記』

 「市民と法」50号に掲載された、木村達也弁護士の『事務局長日記』の書評のオリジナルです。冒頭にも記載したとおり、私などが書評とは大変おこがましいですし、「である調」に修正されて、さらに違和感を感じました。また、字数の制限もあったので、随分カットしました。

 http://www.minjiho.com/periodical_citizen.php?bk=A050

 先ず以って、30年以上にもわたってクレサラ運動の最前線に存在し続けている、木村達也先生の新刊の紹介をさせていただく機会を与えていただいたことについて、たいへん名誉なことと感謝しています。
 私は、平成3年頃より、クレサラ問題・多重債務問題に取り組むようになったのですが、現在に至るまで、その活動を通じて、多くの尊敬すべき素晴らしい弁護士の先生との出会いに恵まれ、彼らを目標としてこの問題に関わって参りました。
 ある時は、その法的思考・法理論の深さや分かりやすさに感服し、ある時には、その強靭な精神力に裏打ちされた優しさに心を動かされ、また、ある時には、その行動力・統率力・リーダーシップやカリスマ性に圧倒されてきました。
 木村達也先生は、その中でも、最も大きな存在であり、私だけではなく全国の多くの司法書士の目標であり続けています。
 木村達也先生の、「木村事務局長日記」は、先生が事務局長をつとめる全国クレジット・サラ金問題対策協議会のメーリング・リストに現在も配信されているものであり、本書は、これまでの日記をまとめたものであります。私はもちろん、メーリング・リストに参加している全国の弁護士、司法書士、学者、被害者の会の皆様など、クレサラ運動に関わる多くの方々により、日々、愛読されているのがこの「木村事務局長日記」であります。
 現時点で、575号まで配信されているこの事務局長日記でありますが、激務の中、1週間に3,4回のペースで、これだけ充実した内容の日記を配信し続けるということ自体に、まず最大級の敬意を払いたいと思います。現場で起きていることを情報発信していくことこそ、法律家の使命であり責務であるということの、まさに実践であります。また、『人生は長さより深さだ』(平成18年3月29日「岡田直人先生の通夜」より)という言葉の実践でもありましょう。
 私事で恐縮ですが、2005年に全青司会長に就任した際、日々の全青司活動を、全国の司法書士に知っていただきたくて始めた、「司法制度改革の時代を司法書士として生きる!~全青司活動現場からのレポート~ 」http://homepage2.nifty.com/yoshinori-ozawa/zennseisi/index.html は、この「木村事務局長日記」を念頭に置いたものでした(もちろん、内容の充実度は比べようもないので、誠にお恥ずかしい限りなのですが)。
「全国各地で行われているシンポジウムや研修会についてのレポート」「木村先生ご自身が弁護士として闘っている様々な消費者訴訟についての考察」はもちろん、「消費者問題に関する政治の動き」や「膨大な読書量の中から厳選された推薦図書の書評」に至るまで、内容は極めて豊富であります。日記という体裁をとっているため、いずれも非常に読みやすくなっている一方、痛烈で率直な批判も数多く登場し、読者はドキッとさせられ、その後に大いに納得させられるのです。
 そして、何よりも、全ての日記の根底に共通して感じ取れるもの。「国民の顧問弁護士」で在り続けている自負心と「国民に目を向けない専門家は滅びる」という強いメッセージが、司法書士にとっては大きな意味を持つのであります。
 平成13年、金沢の旅館の露天風呂で、木村先生とお会いしたことがありました。クレサラ対協の拡大幹事会が行われた翌日、休息をとるために訪れた旅館が偶然一緒だったようで、早朝の露天風呂は、木村先生と私二人きりでした。木村先生は、開口一番「施行間近の個人再生法は、司法書士さんと我々弁護士の競争ですな。我々専門家は、個人再生法を使い勝手の良い法律にしていかなければなりませんな。」というような趣旨のお話をされました。それに対して、どう回答したか記憶が定かではないのですが、その時の武者震いのような感覚だけは忘れることは無いでしょう。実際、当時、私は、日司連の消費者問題対策委員会のメンバーとして、個人再生手続についての書籍を執筆したり、講演をしていたこともあり、まさに木村先生と同じことを考えていたのですから。
 また、木村先生は、読書家であると同時に、美術鑑賞が趣味であることもよく知られており、この「事務局長日記」にもたびたび登場しています(本書にはほとんど収録されていないようですが)。そのような木村先生の感受性の豊饒さが、そのまま「文章力=表現力」に繋がっているのではないかと、勝手に想像しているところです。
 全ての司法書士にお読みいただきたいと思います。

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