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2008年7月15日 (火)

多重債務者問題改善プログラムと司法書士の役割~日司連の取り組みを中心に~②

2.「多重債務問題改善プログラム」について

 大きな柱は次の4本である。

(1)丁寧に事情を聞いてアドバイスを行う相談窓口の整備・強化
(2)借りられなくなった人に対する顔の見えるセーフティネット貸付けの提供
(3)多重債務者発生予防のための金融経済教育の強化
(4)ヤミ金の撲滅に向けた取締りの強化

 いずれも、多重債務問題に取り組む司法書士にとっては、極めて重要な問題であり、積極的な関与が望まれることは言うまでもなかろう。以下詳述する。

(1)丁寧に事情を聞いてアドバイスを行う相談窓口の整備・強化
 プログラムの基本的な考え方は、『多数の多重債務者がどこにも相談できないまま生活に行き詰まるおそれがある中で、相談体制の強化はすぐに措置すべき課題であり、少なくとも「できるところからやり始める」ことが重要と考えられる。その際には、国は自らできる限りの取組みを行うとともに、地方自治体の取組みも重要となってくる。』というものである。
 そして、『地方自治体(特に市町村)は、住民から最も身近で、住民との接触機会も多く、現状でも消費生活センターやその他の相談窓口で多重債務相談に応じているところもあり、消費者基本法上国とともに消費者政策の担い手であることから、「多重債務者への対応は自治体自らの責務」との意識を持って、自ら主体的に相談窓口における積極的な対応を行うことが望まれる。』とされているが、まさにその通りであり、大いに共感できる。
 また、『地方自治体は、複数の部署で住民への様々な接触機会があり、多重債務者の掘り起こし(発見)について、他の主体に比べて機能発揮を期待できるものと考えられる。また、生活保護や児童虐待対策など、多重債務者が抱え得る多重債務以外の問題も含めて総合的に問題を解決する役割も期待できるものと考えられる。』との指摘もその通りであろう。
 さらに、地方自治体内の連携として指摘されている、『地方自治体が、多重債務者が抱え得る多重債務以外の問題も含めて総合的に問題を解決する機能を効果的に発揮する観点から、例えば、生活保護を担当する福祉事務所、家庭内暴力・児童虐待、公営住宅料金徴収の担当部署等で、多重債務者を発見した場合、相談窓口に直接連絡して誘導するといった取組みを行うなど、それぞれの地方自治体内において、各部局間の連携を進めるよう要請する。』との点についても、是非奨励していただきたいと考えるものである。

 一方、相談窓口における対応としては、多重債務に陥った事情を丁寧に聴取し、考えられる解決法の選択肢(任意整理、特定調停、個人再生、自己破産等)を検討・助言し、必要に応じて専門機関(弁護士・司法書士、医療機関等)に紹介・誘導するといったプロセスをとることが望ましいとされている。
 しかしながら、全ての市町村に一律の対応を求めるのではなく、比較的対応能力が認められる自治体に対して、丁寧な事情の聴取や具体的な解決方法の検討・助言ができるよう、相談体制・内容の充実を要請することが求められている。現実問題として、多重債務の相談に十分な能力を兼ね備えている方ばかりではないであろうから、それはやむを得ないであろう。そこで、この点について、連合会は、行政の相談担当者に対して、相談にあたっての支援ツールを作成し、HP上から無償でダウンロードできるようなシステムを構築している。大いに活用していただきたい。http://www.shiho-shoshi.or.jp/

 そして、都道府県における取組みとして、市町村が専門機関と円滑な連携ができるように、弁護士・司法書士、関係団体のネットワークの構築等を支援・指導することが要請されており、そうした観点から、各都道府県において、都道府県庁の関係部署、都道府県警察、域内の弁護士会・司法書士会、多重債務者支援団体、その他関係団体で、「多重債務者対策本部(又は同協議会)」を設立し、都道府県内の多重債務者対策推進のために必要な協議を行うことが求められている。その中で、特に、都道府県が弁護士会・司法書士会に対して、多重債務問題に積極的に取り組んでいる弁護士・司法書士のリストアップを求めることが要請されているのである。
 この点に関連して、連合会に対しても、金融庁からリストの提出が求められており、既に提出済みとなっている。

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