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2008年7月19日 (土)

多重債務者問題改善プログラムと司法書士の役割~日司連の取り組みを中心に~③

(2)借りられなくなった人に対する顔の見えるセーフティネット貸付けの提供

 消費者が貸金業者等からの債務の返済に窮した場合の対応としては、まずは丁寧な事情の聴取と債務整理等も含めた解決方法の検討が必要であるが、その上で、自己破産・個人再生等の債務整理とあわせて、あくまで多重債務問題解決の一つの選択肢として、セーフティネット貸付けの提供についても検討が必要であるとされている。

 この点については、各種の提案がなされているので、詳細は、是非、プログラム全文をお読みいただきたいが、以下の二点につき指摘・提案しておきたい。

①生活保護制度
 所得そのものが低い者を対象とした社会保障の最後のセーフティネットである生活保護については、受けられるべき生活保護が受けられずに高金利の貸付けがそれを代行するといった事態が発生しないよう、適正な運用を図ることがプログラムでも指摘されている。
 一部の先駆的な司法書士の取り組みによって、生活保護申請に関する支援のノウハウは蓄積されつつある。全国青年司法書士協議会(伊見真希会長)においては、毎年、全国一斉の生活保護110番を実施するなど積極的な取り組みをしており、全国の弁護士らとのネットワークも各地で進んでいる。
 連合会においても、先般の総会において、『民事法律扶助の本来事業の対象とならない高齢者、障がい者、ホームレスを対象とした出張法律相談、生活保護受給などの行政処分の申立についての援助を目的とする法律援助事業の実施を求める。なお、本法律援助事業の実施に関しては、日司連が法テラスに一括委託することを前提とする。また、本事業の予算に関しては、テスト事業費より金500万円を支出することとする。』という趣旨の高齢者、障がい者、ホームレスを対象とした法律援助事業の実施を求める決議が採択されており、まさにこの決議に基づく活動が進んでいる状態にある。
 一人でも多くの司法書士が、この問題に取り組むことの可能な環境整備も整えていく必要があるものと考えている。

②社会保障制度についての研修等
 ①にも関連するが、筆者の地元静岡県司法書士会では、県の多重債務問題連絡会議の立ち上がりに連動し、社会保障制度に関する研修会を一月に一度のペースで開催し、会員はもちろん、行政の相談窓口担当者らこの問題に取り組む方々と共に研修を重ねている。
 すなわち、多重債務の法的整理のみならず、生活再建のために各種社会保障制度をいかに活用するかという観点からの活動である。会員のみならず行政の相談窓口等にも呼びかけ、生活保護、医療保険等の社会保障制度を共に学んでいくことにより、各相談窓口との連携を深めていくことも主眼である。
 各単位会におかれても、是非とも検討していただきたい。

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