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2008年12月17日 (水)

日司連主催「生活保護制度を考える!」特別講演会・対談

 昨日は珍しく大阪。でもとんぼ返りです。もちろん。

 標記シンポジウムに参加してまいりました。というより、担当理事として設営に加わった・・・と言ったほうが正確です。今回のシンポジウムの開催にあたりましては、京都の舟木浩弁護士にご尽力いただきました。この場を借りまして、改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。

 全国から、この問題に積極的に取り組む司法書士が参集し、その意味においても極めて有意義な講演会であったと思います。

 ベルリン工科大学法学部 社会法・民法教授/法学博士であるヨハネス・ミュンダー先生は、とても気さくな方でして、ドイツ語はもちろん英語もままならない私たちにとても優しく接していただきました。それにしても英語も全く喋れない自分がとても情けなくなります(泣)。通訳の方の有り難味が骨まで沁みます。そして、通訳の方のプロフェッショナルぶりには感動しました。ドイツ語とドイツの法制度について堪能でなければ、今回のような仕事はできないでしょうから。

 さて、今回の講演会は、ミュンダー先生の講義「ドイツにおける公的扶助制度と社会保障」に加え、いつもお世話になっている静岡大学教授布川日佐史先生の講義「ドイツの生活保護制度改革から日本の生活保護改革を考える」、そして、お二人の対談という構成でありました。

 ドイツと日本の違いはどんなところにあるのでしょう。今回の講演におけるお二人の意見を簡単にまとめれば、ドイツでは、働くことのできる生活困窮者(失業者、不安定就労者)を、生活保護の中に受け入れて、生活を保障し、就労を支援してきたたが、日本では、ワーキングプア、失業者の貧困を、社会保障制度、生活保護がカバーしていない・・・ということになりましょうか。仮にそうであれば、仕事と住居をなくした派遣労働者はどこに流れていっているのでしょうか・・・そういえば、先般の人権フォーラムにおいても、イギリスにおける取り組みが紹介されていました。失業者に対する国の対応であります。

 これは、ドイツやイギリスが、失業が労働市場の失敗であり、これを補うのは国策である・・・と考えているのに対し、日本では個人の自己責任・・・と捉えられがち・・・であるとの背景も指摘されました。

 また、布川先生は、具体的に二つの課題を指摘されました。①権利としての自立保障を明確にする(自立支援給付を生活保護法に位置づける)と②稼働能力活用要件の運用を見直し、受給者のニーズからというより、福祉事務所側から、指導という性格で行なわれる「自立支援」とりわけ「就労支援」の改善が急務という点であります。詳細につきましても、とても示唆に富む講義でありましたので、是非とも、各単位会におかれましては、布川教授をお招きして講演をしていただくことをお薦めします。

 今回の講演会に参加し、今こそ、生活保護法制、そして、労働法制について、現場から見える問題点を議論し、それを踏まえた提言・活動が求められている時代はないと再確認しました。そして、その役割の一部を日司連も担う必要があると考えます。もちろん、ここの司法書士も。各都道府県の司法書士会も・・・

 最後におまけ・・・ちょっと古いですが。

 http://www.zssk.org/archives/index.php?mode=view&id=28

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コメント

生活保護の講演会、少し遅刻してしまいましたが、参加してよかったです。ドイツの公的扶助制度と比較することにより、日本の生活保護制度のかかえる課題が理解しやすくなったと思います。通訳の方のプロフェッショナルぶり、本当に素晴らしかったですね!

投稿: もてちゃん | 2008年12月18日 (木) 08時00分

もて様。そうですか。いらっしゃっていただいていましたか。お会いできずに残念。それにしても、もて様。熱心ですね。素晴らしい!!!

投稿: 小澤吉徳 | 2008年12月18日 (木) 09時37分

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