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2009年11月 8日 (日)

利息制限法金利引下実現全国会議「生活を破壊しない金利を求めて闘い続ける決議」

         生活を破壊しない金利を求めて闘い続ける決議

 私たちは見ている。高金利に苦しむ人の姿を。私たちは聞いている。高金利に苦しむ人の叫びを。私たちは知っている。高金利被害の過酷な実態を。だから、私たちは闘ってきた。高利を貪る者たちと。
  そもそも、わが国においては、明治期に憲法よりも民法よりも早く利息制限法が制定された。金利規制を自由市場に委ねる混乱と危険が顕著になったためである。しかし、利息制限の実効性が疑問視される時代があった。高利貸しによる利息制限法の潜脱が横行し、そうした暴挙の生み出す被害者が後を絶たなかったのである。被害者の会、クレサラ問題に取り組む法律家や学識者らは、こうした潜脱と闘い続けてきた。そして、数々の画期的判例と法改正を勝ち得てきた。なかでも、高利徴求を原則として認めない平成18年の最高裁判決の獲得と同年の貸金業規制法の改正は、特筆すべき成果であった。
 いよいよ改正貸金業法が完全施行される。出資法の規制金利は利息制限法の上限金利(年2割)にまで引き下げられ、また、稀代の悪法「みなし弁済」規定(貸金業43条)は廃止される。消費者金融利用者1400万人、多重債務者230万人という非常事態のなか、全国から集まった340万筆の署名に象徴される国民的大運動の末、私たちが勝ち取った大きな成果である。完全施行を妨害する貸金業者らの抵抗を跳ね返し、まずは改正法の完全施行を1日も早く成し遂げねばならない。
 では、改正貸金業法が完全施行されれば、現行の利息制限法で多重債務者を充分に救済できるようになるのか、多重債務者の発生を未然に防止できるようになるのか。結論を言えば、利息制限法の年利15~20%という規制では、多重債務問題は解決できない。それは、私たちの現場における実体験からしても、給与所得者の生活保持や事業者の損益分岐点についての実証的研究ならびに理論的考察からしても、明らかである。
 また、改正貸金業法でも、保証人の救済が手付かずの課題として残された。とくに、「高金利は主債務者から、元金は保証人から」取り立てるという商工ローンビジネスは、善意の保証人をも巻き込んで、自殺、破産、一家離散といった目を覆わんばかりの悲劇を引き起こしてきた。保証人の全財産を当てにして過剰に貸付けるという「保証人貸付」とも言うべき前近代的な保証人制度は直ちに廃絶すべきである。
 銀行の問題も手付かずである。既存の商工ローン業者らは破綻に向かいつつあるが、こともあろうにその後釜を一部の銀行が担おうとしている。銀行が貸金業者と化することを決して許してはならない。そもそも、商工ローン業者や消費者金融業者に貸付資金を供給し続けてきた銀行の責任は重い。銀行は、その業法たる銀行法1条において「銀行の業務の健全かつ適切な運営を期し、もつて国民経済の健全な発展に資することを目的とする」とされながらも、国民の信頼を裏切っている。国民からの預金受け入れを独占し、経営が苦境に立てば公的資金を投入されるといった特権を享受してきた立場からすれば、銀行には、自ら社会に対し低利の融資を行き渡らせる責務がある。
 遅延損害金の問題も大きい。返済に窮した者に対しさらに懲罰的に高金利を課すことは、非合理であり、保証人制度と同様、遅延損害金制度も直ちに廃止すべきである。なお、類似の問題として、延滞税の税率は高過ぎるので見直すべきである。
 利息制限法は、金銭を目的とする消費貸借上の利息の契約すべてに適応される基本的な経済ルールであり、経済社会のインフラである。しかし、その上限金利はいまだに高すぎる。また、現行利息制限法が採用する元本額を基準とした三段階の金利規制は、合理性を有しないばかりか、この「三区分」は、貸付を小分けにして高利を徴求するなど法潜脱の温床となっている。こうしたインフラ整備が出来ていないことで、今日のリレー講演で指摘されたような様々な社会問題が噴出している。
 思うに、借金の返済に追い回されることなく、毎日の生活をつつがなく送ることは、基本的人権たる「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」(憲法13条)の大前提である。また、衣食住や教育のための費用といった「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(憲法25条1項)の実現のために必要な生活費を借金の返済のために削減することを余儀なくされるといった事態をこれ以上許してはならない。つまり、社会で許容される金利の水準は、人々の生活を破壊することのないレベルに抑制されなければならない。また、事業者にとっては、事業の継続が経営者と従業員の日々の生活の維持のために不可欠であるのだから、事業継続が不可能となるほどの高金利は、まさに生活を破壊する金利である。このような高金利は、決して許容してはならない。
  私たちは、全国から集い、高金利が社会を破壊する事実をここで再確認した。いまだ高金利被害は根絶し得ていない。現行利息制限法の制限利率年15~20%という金利水準は、生活を破壊する高金利(事業者にとっては、事業継続が不可能となる高金利)である。
 私たちは、現行利息制限法の上限金利を「生活を破壊しない金利」に引き下げなければならない。潜脱行為の温床となっている三区分は廃止して、金利規制を一本化しなければならない。私たちは、生活を破壊しない金利を実現するため闘い続ける。私たちは、高金利に泣く人のいない社会を求めて闘い続ける。
 以上、宣言する。

2009年11月7日

利息制限法金利引下実現全国会議 川崎大会 参加者一同

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