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2009年11月 8日 (日)

利息制限法金利引下実現全国会議「貸金業法改正見直しを許さない緊急声明」

            貸金業法改正見直しを許さない緊急声明

 平成18年の貸金業改正法に対して、政府が見直しの方向を打ち出したとの新聞報道に接し、我々多重債務問題で苦しんできた者及びその解決のために努力してきた者は、憤慨している。

 11月1日付の日本経済新聞は、朝刊一面で政府が消費者金融など貸金業向けに強化してきた規制を緩和する方向で検討すると報じ、その記事内容は米の大手メディア、ブルームバーグを通じて世界に発信された。金融危機などの影響で個人事業主の資金繰りが悪化していることを重視し、総量規制の妥当性を見直し、激変緩和措置導入の是非を問い、検討結果によっては改正貸金業法の規制強化策を当面凍結することも排除しない、ということである。

 しかし、中小・零細企業を痛めつけてきた高利の貸金業者に資金繰りの改善を託すのは、本末転倒と誹られるべき政策であり、低金利融資によって行われなければならない。目先の効果だけを追求した金利の規制緩和は一層深刻な、次の悲劇を引き起すだけである。全国で340万人を超える改正を求める署名が集まり、43都道府県の議会によって金利引下げなどの改正を求める意見書が採択され、平成18年に法改正され、貸金業者は激減し、成約率も低下し、貸付残高も減少した。それでも悲劇が無くなったわけではない。高利貸金業者に吸い上げられるなどで貯蓄のなくなった世帯が約4分の1に上る中で、子どもを巻き込む国民の一層の貧困化が進み、リストラによる無職者の自殺が増えている。11年連続して自殺者が3万人を超え、健康問題に次ぐ自殺の動機は経済・生活苦である。経済・生活苦は健康をも家庭をも破壊する。経済・生活苦による自殺とは、人が人を死に追いやっていることである。人為的な原因である。救える命を救わないということである。自殺対策として最も有効なのが借金苦からの解放であり、解放されることのできる金利規制であり、総量規制なのである。

 今般の規制緩和への動きに対して、我々は断固として反対する。一体誰の目を見て政治をしているのであろうか。改正貸金業法を見直し凍結するという方向は断じて間違っている。今回一部で報道された「政府の方針」は深刻な借金苦の現場の実態を知らない結果という他はない。高利金融を保護し、その融資により資金繰りを考えるという発想は誤っている。借主の将来の可処分所得及び生活費までが金利として吸い上げられる。また、中小零細事業者をかえって食いつぶすのである。

 今、必要なのは、高金利貸金業者を優遇する規制緩和ではない。必要なのは高利借金苦から脱出しやすくすることである。必要なのは低金利の融資と総量規制である。さらに、必要なのは社会保障の充実とセーフティネット貸付を充実させ確立することである。本日全国から利息制限法金利引下実現全国会議の川崎大会に結集した者一同は、金利規制緩和の方向に対しては怒りをもって抗議し、平成18年法改正の金利規制と総量規制の一日も早い実現を求め、ここに宣言する。

 2009年11月7日   利息制限法金利引下実現全国会議 川崎大会 参加者一同

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コメント

この意見に大反対です。
むしろ早期緩和をすべきです。

そもそも民主主義において、無担保でお金を貸して
くれる企業がどこにあるというのですか。
消費者金融はボランティアじゃないんですよ。

友達も親も貸してくれないから、頼んで貸してもらうのに金利が高いだの安いだの文句をつけるのは、おかしい。
そもそも、闇金じゃないんだから、そんなに高くないし、払える額で設定してあります。

それに金利は好きなときに好きな額が使えるという代償なんですから、お金を貸してもらっておいて、
返さないなんて許されるべき行為ではないです。

多重債務者というのは、一昔前の取立てで雪だるま式に増えていってという話だったらわかりますが、
現在の多重債務者はまず無責任で開き直る人物が多い。
それに、ドラマに出てくるような取立てなどは闇金でない限りしません。

だいたい司法書士の方や弁護士の方は
正義をふりかざしているけれど、実際は多重債務者を
そそのかして過払い請求させたり、相談料や弁護料を
もらって利益をむさぼりたいだけじゃないですか。

昨今の彼らの強欲は度が過ぎていますよ。

それに貸金業法改正がなされた場合、実際に困るのは利用者です。

鼻から反対するのではなく、もっと勉強されてから書かれたらいかがでしょうか。

投稿: 松沢梨枝子 | 2009年11月10日 (火) 23時53分

松沢さま。勇気あるコメントありがとうございます。私の意見は、①経済的余裕の無い方に高利で貸し出しをすれば破綻は必然(セーフティネットの拡充の必要性)、②統計上も多重債務者の多くは生活費の困窮によるものである、③過払い請求で利益を貪る専門家が存在するのは残念ながら事実、専門家の自浄作用・規制も当然に必要であり、そのような方向で動いています・・・というものです。最後のもっと勉強せよ!という点につきましては、もちろん謙虚に受け止めたいと思っております。今後もご意見お願いいたします。

投稿: 小澤吉徳 | 2009年11月11日 (水) 02時06分

松沢梨枝子さま、貸金業界の本音をありがとうございました。

投稿: アラビア古事記 | 2009年11月11日 (水) 09時17分

>>専門家の自浄作用
身内(同業者)を裁くときになると
甘々な弁護士・司法書士にならない事を期待しますよ。

投稿: オノケン | 2009年11月11日 (水) 13時09分

オノケンさま。コメントありがとうございます。おっしゃるとおりですね。肝に銘じております(汗。

投稿: 小澤吉徳 | 2009年11月11日 (水) 13時28分

>> 友達も親も貸してくれないから、頼んで貸してもらうのに金利が高いだの安いだの文句をつけるのは、おかしい。
>> そもそも、闇金じゃないんだから、そんなに高くないし、払える額で設定してあります。

 さて、ポイントはここですね。
 われわれはサラ金を3K、高金利・過剰貸付・過酷な取り立てと批判しています。
 問題の根源は高金利です。

「そんなに高くないし、払える額で設定してあります」

となぜ考えられるのでしょうか。そうだとすると、なぜ200万人以上多重債務者が存在するでしょうか。
この人達にも 「そんなに高くないし、払える額で設定してあります」はずなのに、どうして返済できなくなるのでしょうか。

この現実から議論を始めましょう。

>> 現在の多重債務者はまず無責任で開き直る人物が多い。

 一人もいないという主張はしませんが、「多い」とは何を根拠に主張されるのでしょうか。
われわれは、被連協を通じて多重債務者と多く関わっていますが、「無責任で開き直る人物が多い」とはとうてい思えず、むしろ逆に返済できないことを苦にして、家族・親族・知人・友人から借りてまで、サラ金に返済している姿を見ています。

 多重債務者の実情を知れば知るほど、「無責任で開き直る人物が多い」とは逆の印象を受けます。多重債務者の実情というか、「現在の多重債務者はまず無責任で開き直る人物が多い」と決めつける前に、実際に被害者の会に出席されどんな人たちなのか、どうして多重債務者に落ち込んだのか、
直接被害者の声を聞いてみてください。多くの被害者の会が参加自由です。
また、シンポジウムでも公開され、自由に参加できます。

私たちはその声を聞き、耳を傾けて活動しています。
決して勉強不足などありませんから、その点はご心配なく。

 もう一つ、自己責任原則を振りかざさないでください。
 多重債務は本人の責任だ、自己責任原則だ、という議論がよくあります。
 サラ金というシステムで200万人以上の多重債務者が生み出されているのに、自己責任で片付けられるでしょうか。
 
 問題は、多重債務で生活が破壊されている人たちをどう救済するかです。

柴田武男

投稿: 聖学院大学 柴田武男 | 2009年11月11日 (水) 13時30分

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