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2014年12月 9日 (火)

利息制限法金利引下実現全国会議 大分シンポジウムでの決議

 生活を破壊する高金利が多重債務問題を発生させている。多くの場合サラ金から始まり、多数の業者からの借入れで膨れあがる多重債務の問題は、サラ金地獄として市民生活を脅かしてきた。貸金業法の年収3分の1の借入総量規制により、事態は改善されてはいる。しかし、すべての問題に対応できたわけではない。事業ローンおよび担保付き貸付の問題はいまだ深刻である。

 疲弊する地域経済に安心して利用できる金融環境は乏しい。事業会社が疲弊していれば、金融機関も逼迫している。超低金利時代にあって、高金利の貸金業者が跋扈している。個人向け貸付には総量規制があるが、事業ローンには対応せず、不動産担保貸付けは適用除外である。多重債務でなくとも高額な不動産担保貸付けは、それだけで多重ならずとも過重の債務となる。不動産の多くは自宅であり、生活の根拠である。それが高金利の担保となり、奪われ、生活の基盤を失う悲劇が繰り返されている。ここには総量規制のない金融環境がある。利息制限法上限内の高金利が多額な借入金額とあいまって、返済困難な状況を生み出している。

 これまで私たちは金利水準を問題の中心に据えてきた。多重債務問題を個人向け貸付の問題として対処してきた。それが多重債務問題の中心だったからである。総量規制が実施されたことで事態は改善されてきた。このことは、逆に私たちに次の課題、すなわち総量規制のない金融環境の問題解決を迫っている。前記した、事業ローンと不動産担保貸付けの問題である。そこには総量規制が働きにくい金融事情がある。だとすれば、それは金利水準の問題として問われなければならない。

 利息制限法の上限金利は安心して利用できる水準なのか。答えは否である。100万円を超す借入元本に対する上限金利は年率15%である。1000万円を借り入れれば、金利支払いだけで年間150万円、月額では12万円を超す返済金額となる。通常の中小・零細企業にとって支払不可能な水準であることが、改めてこの大分のシンポで明らかにされた。また、利息制限法上限内の高金利自体が返済へのリスクとなり、デフォルト・リスクを高めていることも報告された。

 利息制限法の上限に張り付いた金利での貸し付けの実態は、もはや、利息制限法の上限金利が、弱者保護の意義を失い、高金利を容認する根拠に変 じてしまったことを表している。利息制限法の上限金利は高すぎること、そして、これを返済可能な年率8%まで、すぐさま引き下げなければならないことを、私たちは、この大分シンポで確認した。また、利息の上限を超える貸主の損害はないうえ、支払困難に陥った者に対する金利をさらに高くする合理的理由はない。旧来から上限利率の潜脱に使われてきた遅延損害金の利率は、通常利息の制限利率と同じ利率とすべきことも、私たちはこの大分シンポで確認した。

 大分シンポでは総量規制の適用除外とされる事業ローンと不動産担保貸付けが悲劇の温床となっていることを改めて学んだ。借入金額が大きければ、高金利がすぐさま返済地獄となる自明の事実を直視した。私たちは、借入金額が大きければ金利水準はさらに問われると警告する。そして、地域経済が活性化し、甦るには利息制限法上限金利が引き下げられることが必須であることを確認し、この金利引き下げによって地域経済が甦るまで、闘い続けることをこの大分の地で誓う。

20014年12月6日大分シンポジウム参加者一同

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